【書評】思考中毒になる!
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定期的に本書のような「考える」ことをテーマにした本を手に取りたくなる。この類の本は数多く出版されており、私の本棚にも類書はそれなりにあるのだが、つい新しい視点や刺激を求めて買ってしまう。
著者の話のユニークな点は、何と言っても教育現場で得られた実践形式のノウハウだ。著者は大学教授なので、トレーニングする相手は大学生であるが、内容をアレンジすることで小学生、中学生、高校生にも充分適用できる。もちろん社会人であっても参考になる。
良いトレーニングを繰り返して習慣化することで、「思考中毒」を目指す。
恐らくこの状態になると「思考中毒」というのは、「思考中毒になっていない」他人がその当人を見た場合に使う言葉であって、当人にとって「思考すること」は「息をすること」くらいに自然な状態なのだと思われる。
以下、私の印象に残った部分を目次とともに。
常に「何を考えているか」を自覚する
→目的意識を持った時間の使い方を。「何のために」を常に自問自答せよ。
すべてを「自分ごと」にする
→これが一番大事。「自分ならどうするか」という視点をもつことで物事を把握する解像度が上がり、思考が具体化する。
考えたことを15秒で話す
→思考の習慣化を始めるにあたっての最初のトレーニングとして、「15秒コメント」が紹介されている。最初のトレーニングとあるが、社会人でも手短なコメントを求められる機会が多く、端的に考えをまとめるには良いトレーニング。
「超検索力」で知識を深める
→インターネットの検索技術を高めるためのトレーニング。面白い。検索スキルの高低は、仕事の生産性や思考深度にも影響を与えるものだが、検索スキルに焦点を当てたトレーニングは聞いたことがない。
アイディアを出し合い、褒め合う
→複数人で1つのチームを作り、1人ずつ決まった持ち時間でテーマに沿ったアイディアを出していく。全員アイディアを出したら1周。チームで何周できるかにチャレンジする。
必ず全員が発言する仕組み。その際、既出のアイディアを言うことはNG。アイディアに対してポジティブなフィードバックをすることが、アイディアを出しやすくする潤滑油だ。
チームのアイディア出しとして、一般的にはブレインストーミングという手法があるが、それよりも限られた時間でチームメンバー全員が主体的に関わりテンポよく進めていく手法だと思われる。
手書きで書き殴ると思考が加速する
→3分の時間内で可能な限りのアイディアをメモに列挙して、それを3分後に発表する方法。これはチームでアイディアを出し合うのではなく、自分独りでできるトレーニング。重要なのは限られた時間で考えたことを文字にすること。これは通勤時間等のちょっとした隙間時間で取り組める。
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